法人化を目指す管理組合について

  1. 法人化を目指す管理組合について:

    今般、我々の管理組合をマンション同様の「建物の区分所有等に関する法律」第65〜70条に基づき、当別荘地は、一定区画内に土地と複数の建物があり、かつ道路・水道・管理棟・外灯・テニスコート等の共有財産を有しており、その法律により「別荘地団地管理組合法人」の資格を得たいと念願しております。このためには、組合員の3/4以上の賛成がその法律の要件となっており、過日2019/03/31の総会に向けて、全組合員にお願いの書状を郵送すると共に、個別に委任状の提出をお願いしてきた経緯がございます。

    各理事も、昨年2018年後半より、理事会および法人化準備委員会を発足させ、鋭意この活動を推進してきましたが、結果として、3/31の第10回総会までに3/4の多数のご賛同をいただくことができませんでした。その原因としては、まず全組合員の名簿の相当部分が、住所および電話番号の把握の不備があり、委任状を含めた理事会のお願いの趣旨が、十分組合員に到達しておらず、従って、法人化の件の書類自体もまだ見ておられないなどの実態が明らかになってきております。この点は、理事会も管理会社も深刻な問題として受け止めております。法人化のご提案に対する賛否以前に、まず管理組合の活動の情報連絡の徹底を図らねば、結果的に多くの棄権者を生むことになり、全所有者の3/4の多数のご理解には到達しないということになります。(小林が、別項で、「共有地(コモンズ)の悲劇」をお話申し上げたのも、この延長線上にあります。)

    今般の法人化でご説明のために、各理事は分担して、お電話で多くの組合員と直接お話する機会がありました。総会にご出席される組合員は、30〜40名程度ですので、これは約800名の全組合員のわずか5%以下でしかありませんので、それ以外の多数の組合員との意思疎通や情報交換が決定的に不足していることが最大の問題であることが、図らずも、法人化に向けた活動の中で鮮明になりました。

    中には、お年をめされておられ、お話の大体の趣旨はご理解はされていただきましたが、委任状など難しいことはわかりません、とおっしゃる高齢の組合員の方もおられ、心が痛む思いがしました。共有地の悲劇は、コモンズを無視する我田引水的なごく一部の方々だけではなく、迫り来る高齢化の波の中で、共有地を維持しようとする人間のエネルギーやバイタリティーそのものが、徐々にしかも確実に減少してきて、いずれ限界集落化する運命なのであろうかと考えざるを得なくなりました。

    富士桜別荘地は、すばらしい場所にあります。季節の変化はそれぞれに美しく、四季折々の富士の姿と、草木や花々が年年歳歳競うように咲き誇る姿には、ここに来る都度感じることです。圧倒的多くの所有者の方々も同じ思いで、別荘に来ておられるか、あるいは、もう別荘には来れなくなったとしても、かつての美しい風景の中での別荘ライフの記憶を愛おしんでおられることと思います。理事の面々もかなり年をとってきましたが、まだ、美しい共有地を守りたいという存念は維持しております。その思いが更に広がり、それでは、力を貸してあげようかと立ち上がって下さる所有者の方々がおられれば大歓迎です。まずはぜひ理事会を傍聴して、理事たちが何を悩み、何を議論し、どう解決して、次世代に向けて共有地を維持しようとしているのかを、ご理解いただきたく存じます。(文責:理事長・小林寛三)

    理事長 小林寛三