コロナウイルス渦中でのオンライン理事会雑感

  1. オンライン理事会開催:
    2020年4月7日に緊急事態宣言が出されてから、一同に会合しての理事会も開催できなくなりました。そこでオンライン理事会を試行することになり、予定の半月ほど前からその準備を進めてきました。管理会社の要請もあり、セキュリティのしっかりしたMS Teamsを利用することとなりました。これは高機能なソフトウェアなので、いろいろ試行錯誤しながら、また役員間であれこれ支援しながら、5/23になんとか初めてのオンライン理事会の開催に漕ぎつけました。この経験は、これからの状況推移にも対応できますので、その時の経験をご報告したいと思います。
  2. オンライン会議の経験:
    オンライン会議を実現するには、まずは、1) できる限り全員が参加できるような最低限の共通目標を掲げる。(まずはビデオ会議と資料の共通閲覧)、2) メンバー間の操作習熟度には差があるので、まずは自信のない人のサポートを重視する。(グループでの山登りと同様です。)3) 参加できない人は電話ででも参加する。4) 話すべき議題と順番をリアルの時以上に準備する。5) ネットや端末環境にばらつきがあり接続トラブルなどが発生することを想定して行う。(オンラインは、進行がスムーズに行かないこと多い。6) 議事録概略や後日やる宿題は、後でメール等でフォローする。
  3. リアルとの違い:
    オンライン理事会を行ったことで、リアルの会議との違いも一層よくわかるようになりました。コミュニケーションは、言葉だけでなく、声の調子や表情や態度しぐさなど、同じ空間では、双方向でいろいろな情報やその場の雰囲気を感じ取り解釈してコミュニケーションを取っていることがよくわかりました。小さな画面に音声と映像が映ることで、会っていると同じような気になりますが、リアルとバーチャルでは、高精細3次元と小さな画面での2次元以上の差があることを認識しました。その限界を認識しがらも、どのようにコミュニケーションをとるか、逆に考えさせられることも多かったです。
  4. 別荘管理はリアルそのもの:
    この間、しばらく別荘に滞在していますが、この間、水道の漏水調査の立ち会いとか、管理事務所へのゴミ庫の設置準備などがあり、理事会としての現場状況をより具体的に把握することができました。管理人中心に行っている別荘の維持管理は、リアルな仕事そのものなので、現地にいないとなかなかその大変さに気づかないことも多いのです。管理事務所への訪問者にも、氏名の記入、マスク着用、アルコール消毒をできる対策は徹底してもらっています。他県から山梨県への来訪者として、ウイルス感染の原因となり、別荘利用が不要不急のように報道されるような事態だけはどうしても避けたいと思っています。
  5. 三密雑感:
    昨今、ウイルス感染防止対策として、三密(密閉・密集・密閉)を避けることが強調されていますが、本来は仏教用語のようです。身密 (身体行動)、口密 (言葉)、意密(心や感情)を整える三密修行のことのようです。本来、三密はコミュニケーションの本質を表しているようにも思われます。この三密を避けながらのコミュニケーションの維持は、特に難しくなります。マスク越しの会話や相互の距離を開けることによる心理的隔離状況は、目に見えないウイルス対策として必要とは思いつつも、心理的抵抗も少なくありません。口角泡を飛ばしての会話や、共食したりスキンシップすることもままならない新たな習慣を、我々はいつまで続けられるのでしょうか。
  6. 新たな時間を使い方:
    一方で、この別荘地への滞在は、三密を避けるだけでなく、積極的に新たな体験を再認識するには、よい機会だと思うようにしています。自然の中での散策を通じて、木々や鳥など自然を身近に感じたり、写真を撮ったりすること。都会ではできない時間をかけての料理を作って味合うこと。読書などじっくり時間をかけて読むことなども楽しいものです。この機会にウイルス問題に関する電子書籍を読むのもよいと思います。「銃・病原菌・鉄 (Gun, Germs, and Steel)」の本では、伝染病に対する抵抗力の差が、武力差以上に西欧による植民地化を進める結果となったとの分析であり、この時期の読み物としてまさに時機を得ていると思いました。
  7. 別荘の価値再認識:
    TV報道や番組や新聞も、連日、コロナウイルス一色になってしまっています。この心理的閉塞状況を打破して、心の自由を取り戻し、やる気を起こすことができるのも別荘利用の新たな価値だと思いました。

理事長 小林寛三